クリーニング屋さんが教える”天然染料”と”合成染料”の種類と特徴。

染料

染料は、植物や一部の動物から採取される天然染料と、芳香族原料から化学合成される合成染料に大別します。

胡粉のような顔料を除いて白に染料はありません。色を漂泊するものがなく、天然染料の美しい色も、鮮やかな色相も不可能だといわれています。

天然染料

植物・動物・鉱物などから得られる染料。植物系・動物系・鉱物系と分類され色によって採取する種類が異なります。

天然染料の特徴

メリット

天然のものから作られるため、安全性があり環境にも優しく、独特で微妙な色のニュアンスなどを表現できます。

デメリット

天然染料は、一般的に合成染料で染色したものに比べて堅ろう度が低く、特に日光、水、摩擦、酸、アルカリ、金属に弱いという欠点があります。

草木染めは植物を育て、収穫し、煮煎じるなど、とても手間がかかります。収穫や栽培、人件費、光熱費もいれると、コストは合成染料の100倍以上になると言われています。

合成染料

ベンゼンなどの芳香族化合物を原料として、有機合成化学の手法により化学合成された染料を合成染料といいます。

現在使用されている染料はほとんどが合成染料で,天然染料は特殊なものに限られています。

直接染料、酸性染料、分散染料、カチオン染料、建染染料、硫化 染料、反応染料、ナフトール染料など数多くの種類が存在します。

合成染料の特徴

メリット

合成染料は、天然染料のデメリットを補うために作られているため、染料としては天然染料に比べて、優れています。天然染料に比べ、染色の質が安定であり、安価、長期保存が出来る、染色堅牢度が強いなど多くのメリットがあります。

デメリット

化学染料の中には危険なものもあり、代表的な染料では直接染料があります。過去に使われていた化学染料で現在は使用を禁止されているものもたくさんあり、最近では、2015年4月にアゾ基を含む染料が発がん性物質を生成する可能性があるとして、衣類などに使用禁止となりました。

まとめ

染料には多くの種類があり、染める品物や繊維によって使い分けられます。

クリーニングの分野では、染色の事故が度々起こります。製品自体の染色不良なども中にはありますが、多くは染料と染色の知識がないクリーニング店の事故です。

クリーニング店は、数ある繊維と染料の組み合わせを考慮して、品物と向き合わなければなりませんが、染料と染色の知識がないクリーニング店は、しみ抜きをしたら色が抜け、洗ったら色が出てきてしまった、などの事故を度々起こしてしまうのです。

自宅で洗濯する際は、濃色の物や初洗いの物は、色が出る場合があるので、洗剤をつけて白い布で少し揉んで色がつかないかテストしてから洗いましょう。

色が出る品物は、技術と知識のあるクリーニング店に相談しましょう。