クリーニング屋が教えるキャンプやアウトドアに多用される”ナイロン”。
速乾性や強度があるため、キャンプやアウトドア用品に多用されるナイロンの特徴と注意点をクリーニング屋さんが解説していきます。
ナイロン
ナイロンは化学繊維のうち、石油を原料とした合成繊維のひとつで、化学繊維の中でも古い歴史をもつ繊維です。
ナイロンの特徴
強度が強く、磨耗、摩擦に優れている繊維です。
ナイロン繊維は、側面がなめらかになっていて、ポリエステルのように断面形状も自由に変えられる特徴を持ち、極細の繊維も製造されています。
成分
ナイロン6は、石油からシクロヘキサン、イプシロンカプロラクタムと形を変えたものをヘキサメチレンジアミンと重合させ、溶融紡糸により作られます。ナイロン66は石油からアジピン酸が取り出され、ヘキサメチレンジアミンと重合させて糸になったものです。
用途
ストッキング、ランジェリーなどの肌着類、靴下、水着、スポーツウェア全般、アウトドア用品、シューズ、防寒着、レインウェア、カバンの生地、ブラシ類、カーペット、マット類、釣り糸、ホース材料、工業用の縫糸、合成皮革材料など、様々な分野で多様されています。ポリエステルと比較されることが多い繊維同士です。
ナイロンのメリット
強度
柔軟で薄くて軽い繊維ですが、他の合成繊維にくらべても磨耗や摩擦に強いという性質を持ちます。繰り返しの折り曲げにも強いです。
速乾性
速乾性に優れているため、スポーツウェアやアウトドアウェアなどに多用され、カビや虫害などを発生させにくい性質があります。
ナイロンのデメリット
紫外線
白いナイロン生地は、紫外線や日光により黄変をします。
酸性に弱い
酸に弱い性質を持ちます。濃度が薄いものでも、酸性の液体には溶けたり変色を起こします。
耐熱性
熱に弱く、アイロンがけは高温でかけると繊維が溶けてしまいます。
まとめ
ナイロンは、化学繊維の中でも扱いやすい繊維で、家庭の洗濯でも、乾きやすくシワもつきづらい性質ですが、化繊全般のデメリットとして、キツく入ったシワはクリーニング屋さんのアイロンがけでも取れなくなってしまいます。
シワが取れないからといって、アイロンの温度を高温にすると溶けますので、アイロンがけの際は必ず低音でかけ、取れないシワは深追いしないようにしましょう。