クリーニング屋さんが教える”スーツ”に発生した”カビ”の対処法。
梅雨の時期に発生するカビ。クローゼットにしまっていたらカビていた経験は多くの方が経験してると思います。
スーツは基本的に水洗いをしないため、ドライクリーニングでは除去しきれない、見えない食べこぼしや雨、汗などが蓄積され、湿気の多い場所やクローゼットの中でカビを発生させ増殖させます。
カビ
通俗的な呼び名で、高温多湿の季節に貯蔵食品や衣類、器物などに生えて、それをおおい変質させる微生物やその集りをいう。菌糸と呼ばれる細長い細胞が分岐して菌糸体をつくり、その先端に胞子を着手する子実体を形成する。菌糸体と子実体はからみあって菌叢を形づくり，その外見から糸状菌と呼ぶ場合がある。分類学上は、多くは子嚢菌類に属するものの菌糸の集りである。
スーツに発生したカビ
スーツに発生してしまったカビを除去する方法は２種類しかありません。
一つ目はドライクリーニングです。二つ目は水洗いです。このどちらかしかスーツに発生してしまったカビを除去することはできません。
ドライクリーニング
スーツに発生したカビは、初期の表面的に発生したカビであればドライクリーニングすることで除去できますが、繊維の中まで浸透した中期のカビはドライクリーニングだけでは除去することができません。
ドライクリーニングでは、汗などの水溶性の成分を除去するために、ドライクリーニング専用のソープが使われていて、繊維に浸透していないカビであれば、ソープの力とクリーニングの揉み作用で除去することができます。
水洗い
ドライクリーニングでは除去できない中期のカビは、水洗いをする事で除去することができます。
ほとんどの場合は水洗いすることで除去することができますが、しみと同様に繊維に浸透した後期のカビは水洗いをするだけでは除去する事ができずしみ抜きが必要になります。
変退色
カビは発生すると、時間の経過とともに根を生やし繊維の奥まで浸透していき、次第にしみとなって浮き出てきます。
この段階では、しみ抜きを行うことで除去できますが、更に時間が経過したカビは、染色を壊し次第に生地を変色させていきます。
変色した生地は、しみ抜きやクリーニングでは元には戻りませんので、技術のあるクリーニング店か着物のメンテナンスを行う染色補正士に染色補正をしてもらう必要があります。
自宅で水洗いをするならズボンのみ
スーツに発生してしまったカビを自宅で除去するには、水洗いしかありませんが、スーツに使われる繊維は動物性繊維なので水洗いする事で、縮みや型崩れを起こします。特に動物性繊維で作られたジャケットは水洗いする事で必ず型崩れしますので絶対に水洗いしないでください。
自宅で水洗いする場合は、ズボンのみを手洗いして下さい。
ズボンの洗い方
洗濯用洗剤で洗い柔軟剤で繊維を保護します。
１、バケツや洗面器に水を入れて洗剤を入れます。洗剤の量はペットボトルのキャップ一杯分程度です。
２、ズボンをセンターラインに沿ってキレイに畳んだ状態で水に入れます。
３、畳んだ状態を崩さずに押し洗いをします。カビが発生している部分は軽く揉むようにしてください。時間にして約１、2分程度。
４、洗い終わったら、新しい水に変えて同じように畳んだまま濯ぎます。
５、濯ぎ終わったら、新しい水に変えて柔軟剤を入れます。量はペットボトルのキャップ一杯分程度です。
６、同じようにキレイに畳んだ状態のまま押し込むように浸けていきます。時間にして約１、2分程度。
７、終わったら同じように新しい水に変えて濯ぎます。
干し方
使うアイテムは二つ。ピンチハンガー2つ・バスタオル。
ピンチハンガーは代用できればなんでもいいですがおすすめはこれです。
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１、ズボンの裾をセンターラインでキレイに折った状態でピンチハンガーで挟みます。この時ピンチハンガーの跡が気になる方は、布を噛ませてください。
２、ウエスト部分にも同じようにピンチハンガーを挟みます。この時ピンチハンガーの跡が気になる方は、布を噛ませてください。
３、裾部分を上にして吊り下げます。この時ウエストのピンチハンガーがおもりになって生地が張ってシワを防止し、更に縮みを防ぎます。
４、吊るした状態で、バスタオルを使い水気を滴り落ちない程度まで切ります。
５、滴り落ちない程度まで水気が切れたら、浴室か部屋干しでしたら下にバスタオルを敷いて水滴を拾いましょう。
仕上げ
使うアイテムはスチームアイロンです。
スチーマーも代用できればなんでも良いですがおすすめはこちら。大量のスチームが5分以上出て、尚且つアイロンにもなります。
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乾いたら、吊るしたままスチームアイロンで全体にスチームをかけていきます。
ポイントは大量にスチームをかける事です。
この時に、シワが伸びづらいきついシワが入ってると、アイロンがけをする必要が出てきますので、洗う時に出来るだけシワを作らないように、キレイに畳んだ状態をキープして洗ってください。
シワがなくキレイに吊るす事ができれば、センターラインもキレイにアイロンがけする事ができます。
この方法は、ズボンのメンテナンスのやり方と同じなので、ズボンにシワがついたらこの方法でシワを伸ばしてください。
最後にブラッシングしてあげれば完成です。
洋服のメンテナンスに最適なクリーニング店でも使うブラシです。
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まとめ
スーツに発生したカビは、対処はスピードが重要です。
クリーニングするにしろ、自宅で洗うにしろカビ菌が繊維に根を生やす前に、素早い対応が肝心ですので、カビを見つけたら直ちに行動しましょう。