プロのクリーニング屋さんが教える”ぬいぐるみ”の洗い方と注意点。
ぬいぐるみ
綿やパッキングを芯(しん)にして、外側から布を縫い合わせてつくった人形玩具(がんぐ)。
ぬいぐるみの特徴・洗い方・注意点
ぬいぐるみは、触ったり飾っておくことで汚れが蓄積され時間の経過とともに汚れていきます。
洗うために作られているものではないため、洗うと色が溶出するものが多く、特に濃色のものは紫外線の影響で染色が壊され色が溶出したりするものも少なくありません。これらを考慮し洗う必要があります。
また、縫製も洗うことを想定していないため、洗濯機を使用して洗濯をすると破れたり、縫い目が開いたりする事もあります。
紫外線
ぬいぐるみは、飾って置く場合、特に窓際などに飾っている場合は太陽光の紫外線により染色が壊され変色します。
白いぬいぐるみは、蛍光増白剤が入ってるものがほとんどなので、紫外線の影響により蛍光増白剤が変色し黄ばんでいきます。(蛍光増白剤は染料なので紫外線の影響で壊され変色します。)
また、太陽光に晒されていない場合も、蛍光灯に含まれる微量な紫外線を浴び続ける事によって、同じように染色が壊されていきます。
洗う時の注意点
ぬいぐるみを洗う時には、色の溶出に十分注意する必要があります。
洗うことを想定していない上に、紫外線の影響を受けているぬいぐるみは、非常に色が溶出しやすいです。
濃色のものや色付きのものは、あらかじめ市販の洗濯用洗剤と水を混ぜた溶液を作り、白い布に染み込ませてぬいぐるみを揉むようにしてテストします。色が付かなければ洗うことができます。
また、濃色と真っ白の組み合わせで作られているものは、色が少しでも溶出すると白い部分に染まってしまう為、入念にテストする必要があります。
脱水時の注意点
色が移ったり染ってしまう原因二つあります。
一つ目は色が洗濯水に溶出して染まるパターンと、二つ目は繊維と繊維が脱水時の遠心力により押しつけ合い色が移ってしまうことにあります。
ぬいぐるみの洗い方
色のテストを行い、大丈夫なものは洗うことができます。
洗い方の基本は手洗いになります。
洗濯機を使うと中綿の状態次第では、寄れなどが発生して、型崩れを起こします。
洗う
1、バケツや洗面器に水を溜めて洗濯用洗剤で洗います。量にしてペットボトルのキャップ一杯分程度で十分です。
この時にお湯を使うと色が溶出する場合がありますので注意してください。洗い終わったら水で洗剤成分を濯ぎます。
2、同じように水を溜めて柔軟剤でコーティングします。量にしてペットボトルのキャップ一杯分程度で十分です。
全体に十分に浸ったら、濯ぎます。
脱水
1、大量の水分を含みますので、バスタオルなどでしっかりと水気を取れるところまで取り除きます。
2、水気が取れたら、ぬいぐるみをタオルで巻きます。繊維と繊維がくっつかないようにキレイに全体を包み込むようにくるんでください。
3、換気の良いところで自然乾燥しましょう。
中綿の寄らないようなものや、型崩れが起きにくいものは同じようにバスタオルでくるみ、ネットなどに入れて洗濯機で脱水のみを行っても良いでしょう。
しみがある場合
しみがある場合は水溶性のしみ抜き剤を使ってしみ抜きをしましょう。
詳しい水溶性のしみ抜きのやり方はこちら。
白いぬいぐるみが黄ばんだ場合の対処法
白いぬいぐるみが黄ばむ理由は二つあります。
一つ目は皮脂汚れによる黄ばみ、二つ目は蛍光増白剤脱落によるもの。
一つ目の皮脂汚れによる黄ばみは、酸素系漂白剤の漬け込みが有効です。ぬいぐるみの漬け込みは白いもの限定です。色付きのものは高い確率で色が溶出しますので、色付きのものを漬け込む場合は十分にテストを行う必要があります。
酸素系漂白剤の漬け込みのやり方はこちら。
二つ目は蛍光増白剤脱落によるものは、粉末の洗剤を使って回復させるやり方が有効です。
粉末の洗剤には蛍光増白剤が入っていますので、粉末の洗剤を使って洗い続ける事により脱落した蛍光増白剤が足されていき徐々に回復していきます。
まとめ
ぬいぐるみは、目に見えないたくさんのホコリ・汚れやダニなどが付いていますので洗って清潔に保つことをおすすめします。
洗えない場合や、定期的に洗うのが面倒な方は乾燥機にかけることで、ホコリを落としたりダニなどの害虫を死滅させる効果がありますのでおすすめします。