クリーニング屋さんが教える”高級スーツ”と”低価格スーツ”の使い分け。
社会人の正装であるスーツにはフルオーダーの高級なものから、既製品の低価格のものまで幅広くあります。
クリーニングの目線から、高級スーツと低下価格スーツを使い分けた方が良い理由を解説していきます。
スーツ
同一の布でつくられる、二つ以上のものからなる上下一揃(ひとそろ)いの服のこと。紳士物の場合には、上着、ズボン、ベスト、婦人物の場合は上着、スカートあるいはズボンの組合せが一般的。
高級スーツと低価格スーツ
高級スーツは主に、高級生地を使い体型に合わせて細部までミリ単位で作られるテーラーメイドや、高級生地を使ったハイブランドスーツなどがあり、価格は数十万円から数百万円するものまであります。
低価格スーツは主に、袖や裾などの簡単な手直しのみをする既製品を指し、使われる生地の値段で価格が上下します。
高級スーツ
高級スーツに使われる生地は、触り心地や着心地を良くする為に高級な生地が使われます。
高級な生地は、希少なウール・カシミヤ・モヘヤ・シルクなどの高級繊維を使い着心地を高め、高級繊維を更に細くし肌触りを高めたものが使われます。
そのため耐久性が弱く、強くテンションがかかる部分にアタリやテカリ、スレや白化、着用シワがつきやすくなっています。
高級スーツは、仕事用ではなく室内のパーティーやフォーマルな場面での着用に向いているスーツだと言えます。
低価格スーツ
低価格スーツは、決して生地や仕立てが悪いものではなく、動作性・耐久性やクリーニング性を考慮した生地や仕立てを用いて作られたスーツです。
そのため、パーティーやフォーマルな場面や、外回りの営業などのサラリーマンまで幅広く着用できるように作られたスーツと言えます。
クリーニング性
スーツに使われる裏地や表地の繊維は、着用するたびに汗を吸い込みます。
汗は、ドライクリーニングでは除去しきれないため、蓄積された汗の成分は最終的には水洗いしなければなりません。
高級スーツの仕立てや、使われる生地は非常にデリケートで、水洗いする事によって型崩れや縮みが発生しやすく、
また、スレや毛羽立ちなどの風合いの変化も起きやすくなります。なので、クリーニング性で見ると仕事での着用には不向きと言えます。
低価格スーツでは、動作性・耐久性やクリーニング性を考慮した生地や仕立てを用いて作られたスーツなので、水洗いにも耐えられるものが多く、仕事用に向いているスーツと言えます。
まとめ
室内のパーティーやフォーマルな場面なら高級スーツ。
動作性・耐久性やクリーニング性を考慮するなら低価格スーツ。
高級スーツと低価格スーツは、場面に合わせた選び方・使い方をすることが長持ちさせるポイントです。