クリーニング屋さんが教える漂白剤”過酸化水素”の特徴と使い方。
液体の酸素系漂白剤に使われる、過酸化水素の効果と使い方をクリーニング屋さんが解説します。
液体ワイドハイター
過酸化水素を使った衣料用酸素系漂白剤。
成分・用途・使い方・使用上の注意など
分かりやすく説明するために、液体ワイドハイターの成分表通りに細かく説明していきます。
価格:275円 |
品名・液性
品名:衣料用漂白剤
液性:酸性
0〜14までの数字の中で表すことが一般的で、0に近い方が酸性で14に近いとアルカリ性になります。
0〜3強酸性・4〜6弱酸性・7中性・8〜10弱アルカリ性・11〜14強アルカリ性。
成分
過酸化水素(酸素系)、界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
細かく見ていくと
水(工程剤)、過酸化水素(漂白剤)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(界面活性剤)、アルカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(漂白活性化剤)、アルキルアンモニウム塩(界面活性剤)、エチドロン酸塩・エチドロン酸(金属封鎖剤)、香料
過酸化水素
水素の過酸化物。化学式 H2O2 無色でオゾン臭のある油状液体。不安定で酸素と水に分解しやすく、強い酸化力をもちます。酸化剤、漂白剤、消毒・殺菌剤、触媒などのほか、ロケット燃料にも用いられます。三パーセント水溶液に安定剤を加えたものは、日本薬局方名オキシドールとして消毒用に使われます。
漂白効果の主成分は過酸化水素です。市販されている液体酸素系漂白剤に使われる過酸化水素はph 3.5~4.5の酸性で、過酸化水素が出す酸素でシミの成分を分解し、しみや汚れを除去します。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル(界面活性剤)
ポリオキシエチレンアルキルエーテルは高級アルコール系の合成洗剤です。
高級アルコールに酸化エチレンを付加重合したエーテル型非イオン性界面活性剤。この高級の意味は分子量の大きいアルコールという意味で、一般に炭素数8以上のものをいいます。高価であるという意味ではありません。
高級アルコール系は、生分解性がよく水環境への負担も少ないといわれています。
アルキルアンモニウム塩(界面活性剤)
界面活性剤,洗浄剤成分,抗菌剤成分,として使われています。
アルカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(漂白活性化剤)
アルカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムは、洗濯槽内では短時間で 過酸化水素と反応して漂白作用を促進させます。ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(HBS-Na)とラウリン酸が生成され、ラウリン酸は天然に存在する脂肪酸です。
エチドロン酸塩・エチドロン酸(金属封鎖剤)
金属封鎖剤(キレート剤)とは、水中に含まれるカルシウムイオンや鉄イオンなどが他のイオンと結合するのを阻止し、界面活性剤の洗浄を助ける働きをするものです。
使えるもの
水洗いできる白物・色物・柄物の繊維製品(木綿、麻、化学繊維、毛、絹)
過酸化水素の特徴は、他の粉末の酸素系漂白剤よりも漂白力が弱いため、繊維に優しい漂白を行うことができます。
過酸化水素はph 3.5~4.5の酸性なので、多くの繊維に使用可能ですが、使用前は必ずテストしましょう。
使えないもの
水洗いできないもの・金属製の付属品(ファスナー、ボタン、ホック等の留具)がついた衣料・含金属染料で染めたもの。
過酸化水素は酸化力がありますので、金属の付属品や含金属染料で染めたものは腐食します。
まとめ
液体の酸素系漂白剤は、消臭、抗菌、黄ばみ、食べこぼしのしみなどに効果的です。
弱い漂白もできますし、強い漂白をしたい時には、お湯や粉末の酸素系漂白剤と併用することで、様々なしみや汚れを落とすことができます。