重曹とは?クリーニング屋さんが教える”重曹”の使い方と効果。

食品の添加物として使われたり、洗濯・キッチン・お風呂場などのお掃除にも使われる重曹の効果や使い方をクリーニング屋さんが解説していきます。

重曹

炭酸水素ナトリウムNaHCO3の通称である重炭酸ソーダを、さらに省略した呼称。重ソー。重曹。

重曹の使い方・効果

食品ではベーキングパウダーの材料として、洗濯では漂白剤として、キッチンでは油汚れやシンクの水垢、お風呂場では皮脂汚れ・水垢の掃除道具として使われます。

重曹は水に溶けにくいので、ペースト上にして研磨するように使うと効果的です。

酸素系漂白剤としての衣類への効果

重曹はpH8.2の弱アルカリ性です。

(phは酸性0→中性7→アルカリ性14までのイオン濃度を表したものです。)

アルカリ性は、油汚れを除去する効果があり、衣類についた油汚れや皮脂汚れに効果的です。

弱アルカリ性のため、漂白剤としての効果は弱く、デリケートな繊維を使った衣類の漂白などに向いています。

漂白効果が物足りない場合は、同じ酸素系漂白剤の仲間であるセスキソーダ(pH9.8)や過炭酸ナトリウム(pH10.5)を使うと更に効果が上がります。

キッチンまわりの油汚れシンクの水垢

アルカリ性のため、コンロや換気扇に付いた油汚れに効果的です。

また、シンクについた水垢にも効果的です。水垢は本来、マグネシウムやカルシウムなどの金属イオンなので、クエン酸などの酸性の洗剤で除去しますが、シンクでは油を使って調理をしたフライパンや食器などを洗うため、水垢に油脂分が含まれている場合があり、クエン酸など酸性の洗剤で除去出来ない水垢は、重曹などのアルカリ性の物を使うとキレイに除去することができます。

お風呂場の皮脂汚れ・水垢

お風呂場の排水溝は、皮脂汚れが溜まりますので、重曹などのアルカリ性のものが効果的です。

重曹では物足りない方は、セスキソーダ(pH9.8)や過炭酸ナトリウム(pH10.5)を使うと更に効果が上がります。

更に、液体酸素系漂白剤を混ぜると効果が上がります。液体の酸素系漂白剤の主成分は過酸化水素水と言うもので、重曹・セスキソーダ・過炭酸ナトリウムの酸素の発生を促進してくれます。

水垢も、シンク同様に皮脂汚れを含んでいますので、クエン酸などの酸性洗剤で除去出来ない場合はアルカリ性のものを使うとキレイにすることができます。

(カビは、酸素系漂白剤で落ちない場合は塩素系の漂白剤が効果的です)

ニオイの除去

重曹・セスキソーダ・過炭酸ナトリウムなどのアルカリ性はニオイの成分を分解してくれます。

重曹の場合は、上履きやスニーカー程度のニオイ除去に向いています。

まとめ

重曹は、アルカリ性の効果としては弱いですが、アルカリ性の強いものは使い方によっては傷んでしまう物もあるので、まず重曹で試してみて落ちなければ強いものに変えるといった段階を踏むと、より安全に使えると思います。