”蛍光増白剤”とは?クリーニング屋さんが教えるその効果と特徴。

洗濯用洗剤や石けんなどに入っている蛍光増白剤の特徴を解説していきます。

蛍光増白剤

蛍光増白剤(蛍光剤)は、目に見えない紫外線を吸収して、目に見える青白い光(蛍光)に変えるための染料です。

蛍光増白剤の効果特徴

蛍光増白剤は、見た目の白さを増す効果があり、洗剤や石けんに添加されたり、製紙工程で使用されたりします。

増白効果

市販の白物衣料の多くは、製造段階でこの蛍光剤が使われています。

蛍光剤は、着用や洗濯を繰り返すことで脱落して行く為、白さの低下を防ぐために洗濯用洗剤には蛍光剤が配合されています。

蛍光増白剤は染料の一種ですが、白い染料ではないので濃色の衣料に使っても白くなることはありません。

蛍光増白剤を使ってはいけない衣類

生成りや(きなり:漂白あるいは染色をせずにさらには晒すこともしていない素材そのものの布地や糸を指します)パステル調の淡色の衣料は、布本来の色を活かすために、蛍光剤が使われていません。

濃色の衣料では影響はないですが、生成り、淡色(ベージュ、クリーム、ピンク、グレー)の綿、麻、レーヨンなどは、蛍光剤入りの洗剤や石けんで洗うと、蛍光剤の付着により色合いが変わってしまうことがあります。

これらの衣料や「無蛍光洗剤使用」と表示された衣料には、蛍光剤の入っていない洗剤を選んでください。

また、蛍光剤入りの洗剤をふりかけたり、撹拌せずに洗濯すると、蛍光剤がムラになり、部分的に白っぽく変色することがありますので注意が必要です。

蛍光増白剤の変色

蛍光増白剤は、紫外線によって変色を起こしますので、外干しする際には注意してください。

蛍光増白剤は漂白剤と相性が悪く、蛍光増白剤を使用した衣料に、塩素系漂白剤を使うとピンク色に変色します。酸素系漂白剤の場合は黄色く変色することがありますので注意してください。

変色した品物は、還元漂白剤で回復する場合がありますが、回復できない場合は技術のあるクリーニング店に相談しましょう。

(注意:塩素系漂白剤を衣類に使用することはおすすめしません)

まとめ

蛍光増白剤を使用した衣類は、酸素系漂白剤で黄色く変色させてしまうことがあるので、蛍光増白剤は白くキレイにするときには邪魔になります。

蛍光増白剤は”白く見せるだけのもの”なので、しみが取れてキレイになっているわけではありません。

白いものを白くキレイにするのに適しているものは”酸素系漂白剤”です。

実際プロのクリーニング屋さんは、蛍光増白剤入りの洗剤は使いません。

蛍光増白剤はほとんどの洗濯用洗剤に入っていますが、できれば”無蛍光洗剤”の使用をおすすめします。