クリーニング屋さんが教える”ポリウレタン”繊維・樹脂の特徴。

ストレッチ系の衣類やコーティングに使われるポリウレタンの寿命や特徴を解説していきます。

ポリウレタン

ウレタン結合-OCONH-をもった重合体(ポリマー)の総称。一般にジイソシアナートとグリコールとから付加重合で得られる。合成ゴム、合成繊維、接着剤などに使われます。

ポリウレタン繊維

スパンデックスとも呼ばれ、化学繊維の中でもゴムのような性質を持つ繊維で、衣料用としては単独で使われることはほぼなく、他の繊維と混紡したり、コーティングや接着用途で使われたりもします。ポリウレタン繊維の登場によってスポーツウェア等も大きく進化ました。

特徴

非常に伸縮性に優れており、あらゆる繊維と混紡されて使用されています。ゴムのような繊維で、ポリウレタン繊維はゴムよりも細く加工する事が可能で伸縮性も高いのが特徴です。

樹脂加工

ポリウレタン樹脂は、合成皮革やボンディング加工(接着樹脂加工)、コーティング加工(表面及びバックコーティング)などに使用されています。

寿命

ポリウレタンの寿命は、製造されてから約2~3年といわれています。これは、製造日から約2~3年ですので、購入時点から2~3年ではないことに注意が必要です。

寿命が来ると樹脂加工が剥がれたり、繊維が切れて生地から飛び出したりします。

デメリット

ポリウレタン繊維やポリウレタン樹脂は、寿命が約2~3年と言われていて時間の経過とともに劣化していきます。空気中の水分や汗・皮脂汚れによる加水分解、太陽光の紫外線などにより劣化が促進されます。

特にエリ・袖口、ひざ・ひじ付近、ヒップなどに顕著に発生します。

劣化した繊維や樹脂は、洗濯やクリーニングの洗浄・揉み叩き作用により劣化が促進します。

また、漂白剤の使用は、さらに劣化の進行を早めます

まとめ

ポリウレタン繊維・樹脂加工は、クリーニングの作用により劣化が顕著になり、事故やクレームになるケースが多いです。

ドライクリーニングによる事故例:ダウンのバックコーティングに使われる樹脂やコートなどに使われる表面樹脂加工が剥がれてしまう事故。

漂白剤による事故例:漂白剤によりポリウレタン繊維が切れて生地が伸びてしまう事故。

アイロンの事故例:アイロンの熱や圧力により、ポリウレタン繊維が伸びて回復困難になってしまう事故。

など、多数の事故事例があります。これらの事故は、繊維や樹脂の劣化の状態により進行度が変わるので、クリーニング業者も未然に防ぎにくいのが実際のところです。

クリーニング店側は、検品段階で劣化を見逃さずに発見して、お客様に一言お知らせをする事が事故を未然に防ぐ重要なポイントです。

ポリウレタン製品を購入する際には、これらの特徴を理解して購入することをおすすめします。