クリーニング屋さんが教える”しみ抜き剤”の作り方と使い方。油溶性編。
油溶性にしみとは、油脂に溶けやすい性質のしみのことです。
油溶性のしみの種類
油溶性のしみの種類は、ガム・機械油・マジック・ボールペン・チョコレート・牛乳・マヨネーズ・ドレッシング・バター・サラダ油・口紅・ファンデーション・マスカラ・アイシャドウなどがあげられます。
油溶性のしみは、家庭でのしみ抜きが難しいものが多いです。
家庭での洗濯は水洗いですので、油脂成分を溶かす力が弱く、落ちずに残るケースがほとんどです。
油溶性のしみ抜き剤は、油脂成分を溶かすことに特化したものが必要になります。
油溶性のしみ抜きに使う薬品
油溶性のしみに使う薬品は4つあります。
どれもスーパーや百均、ネットなどで手軽に手に入るものです。
食器用洗剤・クレンジングオイル・アルコールジェル・歯ブラシです。
食器用洗剤
食器用洗剤は、界面活性剤も入っていますので、油汚れに対し強く効果を発揮します。
食器用洗剤なら何でも大丈夫です。
クレンジングオイル
基本的に油溶性のしみは、油で溶かして落とします。
クレンジングオイルの主成分は、油です。
クレンジングオイルは、油溶性である化粧品を落とすためのものなので、他の油溶性のしみにも応用できます。
肌に使うものなので、衣類にも優しいです。
クレンジングオイルは百均でも売られていますが、お勧めしません。
なぜかと言うと、みなさんがクレンジングオイルを選ぶときの基準は何でしょうか?
メイクが落ちやすい、肌に優しい、などあるかと思います。
洋服に付いたしみも良いクレンジングオイルなら落ちやすいですし繊維にも優しいと言うことです。
アルコールジェル
油溶性のしみの中には、アルコールで溶けるものもあります。
液体のものだと広がってしまうので、ジェル状のものがお勧めです。
市販のものでジェル状のものなら何でも構いません。
油溶性のしみ抜き剤の作り方
食器用洗剤・クレンジングオイル・アルコールジェルを混ぜます。
食器用洗剤1:クレンジングオイル3:アルコールジェル2
1:3:2で混ぜてください。
これで出来上がりです。
ガム・機械油・マジック・ボールペン・口紅・ファンデーション・マスカラ・アイシャドウなどには、この3種類が有効です。
チョコレート・牛乳・マヨネーズ・ドレッシング・バター・サラダ油などの油溶性の食べ物には、食器用洗剤とクレンジングオイルの2種類でOKです。
この場合、クレンジングオイル2:食器用洗剤1で作ってください。
しみ抜きしてみましょう
用意するアイテムは、歯ブラシとタオル・ティッシュです。
作った油溶性しみ抜き剤を歯ブラシにとって、患部に塗り、上からトントンと叩きます。
この時、絶対に強く擦らないでください。強く擦ると繊維を傷め白化します。
裏側にタオルやティッシュを敷いて、しみを転写するよう叩くのがポイントです。
汚れてきたら新しいタオルやティッシュに変えましょう。
これを4、5回続けると(時間にして約1、2分程度)、しみは完全には落ちないまでも、目立たない程にはなります。
油溶性の食べこぼしのしみの場合、色素が残ったらこちらを参照してください。
落ちたら、そのまま洗濯機に入れてください。
歯ブラシは百均のでも構いませんが、条件として生地を傷めないものと、毛が細かいものがより効果的です。
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家庭でのしみ抜きの注意点
家庭でしみ抜きを行う場合は、洗濯できないものはしみ抜きはお勧めしません。
洗濯できないものとして例を挙げると、風合いが変わりやすいもの(シルクなど)・縮みやすいもの(獣毛製品など)・濃色のもの・自力でアイロンがけが出来ないもの(プリーツスカートなどデザイン性の高いもの)などが挙げられます。
まとめ
油溶性のしみは、洗濯では落ちないしみですが、しみ抜き剤を作って一手間を加えれば意外と簡単に落ちるものもあります。
油溶性のしみが家庭で落とせるようになったら、あなたはしみ抜き職人としてセンス有です。
是非チャレンジして見てください。