サステナブル化で激減する”毛皮製品”の特徴とお手入れ方法。
近年ファッション業界では、サステナブル化や動物愛護の観点から、毛皮を使った製品が激減しております。
毛皮の歴史
毛皮の歴史は古く、衣類の素材として最も古いもので原始時代から用いられていました。
毛皮は富と権力と威信を表すもので、ヒョウの毛皮を王家の象徴としていたり、チンチラを王家の毛皮と定めて王権の象徴としていたようです。
毛皮は世界で最初に売買された産物の一つで、金属器や手工芸品と毛皮とを物々交換していました。
1200年~1300年代、ヨーロッパでの毛皮の取引は盛んになり、次第に珍しい毛皮の装飾が施されるようになりました。
毛皮の種類
高価な毛皮の代表的なものは、イタチ科のミンクやセーブルです。
軽くて肌触りが滑らかで、保温性が高く、刺し毛は強くしなやかで光沢に富んでおり、綿毛も密度が高くシルキーなため、衣料用として最高の素材と言え、耐久性にも非常に優れています。
同じく代表的なものが、チンチラです。
チンチラは、非常に滑らかで柔らかい綿毛のみで構成され、毛の密度も非常に高く保温性に優れています。
チンチラは草食のため、毛皮は軽く、極めて薄くデリケートで耐久性は低く、取り扱いには注意が必要です。
他には、フォックス・ラクーン・キャット・ラムなどがあります。
毛皮の弱点
毛皮は、優れた機能性を持っていますが、非常に皮が薄くデリケートで傷みやすいため、保管状態などに大きく左右されます。
最大の天敵は湿気です。
湿気を含んだ毛皮は、乾燥過程で縮みや硬化をし、最悪皮が避けてしまったり、毛を支える皮が傷むと、毛が抜け落ちてきてしまいます。
毛皮は敏感に湿気に反応しますので、保管状況が悪いとすぐにカビてしまいます。
保管する際には、必ず乾燥した通気性の良いところで保管しましょう。
また、毛皮は太陽光などの紫外線にも弱く変退色してしまいます。
外出の際は、太陽光を避け、保管する際には蛍光灯の光を当てないように暗所で保管しましょう。
お手入れ
毛皮のお手入れは、まずは保管環境を改善することです。
乾燥剤や除湿剤などを使用して、徹底的に湿気を排除し、通気性の良い暗所で保管することが望ましいです。
毛の部分は、濡らしたタオルを絞り、優しく拭きます。
少量の柔軟剤やコンディショナーなどを入れても良いでしょう。
拭き終わったら、髪を乾かす要領でドライヤーとクシで優しく乾かしてあげましょう。
まとめ
毛皮は、時代の流れにより使用が激減しており、ハイブランドなどはリアルファーではなく、エコファーなどを積極的に取り入れています。
最近のエコファーは、発色も良く見た目もリアルファーと区別がつかないようなものも多くあります。
毛皮は機能性も良く、希少で高価なものですので、しっかりとお手入れをして大切にしてあげましょう。