ドライクリーニングでは取れないスーツの汗と、その応急処置。

最近では、家庭で洗えるウォッシャブルスーツなどもよく見かけるようになりました。

しかし、スーツの大半は家庭での洗濯は難しく、クリーニング店にお願いする方がほとんどだと思います。

家庭では洗えないのか?!

ウォッシャブルスーツはポリエステルなどの化学繊維で作られています。

ポリエステルなどの化学繊維は水に強く、主にジャージやスポーツウエアなど汗をかいても洗濯出来るようなものに使われています。

一方で、一般的なスーツの素材はウールなどの動物繊維で作られています。

動物繊維は構造上水を含むと膨らみ、乾く過程で縮みを起こします。

水を含んだ繊維はシワが付きやすく、縮んだ繊維は型崩れを起こします。

特に型崩れを起こしたスーツのジャケットは家庭のアイロン技術ではまず復元することは不可能でしょう。

クリーニングは何で洗う?!

ではクリーニング屋さんは、何で洗うかというとドライクリーニングという方法で洗います。

ドライクリーニングは溶剤と言われる油性の液体で洗います。

日本のドライクリーニングの溶剤は9割が石油系と言われる石油が主成分の溶剤で洗っています。

油性の溶剤は繊維を膨らまさずに洗えるので、スーツやセーターなどの動物繊維も縮まず型崩れせずに洗える仕組みになっています。

※家庭用洗濯機のドライ洗いはこのドライクリーニングとは違いますので惑わされないように注意してください。

汗は取れない?!

ドライクリーニング溶剤は、エリの皮脂汚れやファンデーションなど油性のしみ汚れを落とすことに特化している溶剤なので、汗のような水性の汚れは取りきれずに残ります。

ドライクリーニングを繰り返すと汗の成分が蓄積され溜まっていきます。

そのため、クリーニング屋さんではドライクリーニングのオプションとして汗抜き加工など汗を除去するメニューがあります。

汗の応急処置

布団やパジャマなども目には見えないところで、繰り返し汗を吸収乾燥しています。

スーツも同様に汗をたくさん吸っています。

着用後は、帰宅時に上下共に裏返してハンガーにかけましょう。

その際に、ワキやズボンの裏地など、汗のかきやすい部分を濡れたタオルで叩くようにして、軽く湿らせてあげることで汗の蒸発を助けてくれます。

ワキなど汗のかきやすい部分には、脇汗パッドを貼るのも良いでしょう。

ワキは汗をかきやすく、ニオイや変色の原因になります。

まとめ

スーツのクリーニングは汗の成分は除去出来ません。

クリーニング屋さんを選ぶ基準の一つとして、スーツを水洗いしてくれるところは良いクリーニング屋さんが多いです。

その中でも、技術のレベルの差がかなりありますのでしっかりとした見極めが必要になります。

縮まないか、型崩れしていないか、しっかりと風合いが復元できてるかなどなど。。。