クリーニング屋さんが教える”バーコードタグ”の法則と重要性。
クリーニング店に、お洋服をお願いすると、必ずと言っていいほど付いてくるバーコードタグ。
顧客を管理するためのもので、ほとんどのクリーニング店で使用されているアイテムです。
どこに付いてる?
お客さんからお洋服を預かったら、まず一番最初にやることがバーコードタグを付けることです。
品物ごとに振られた番号に合わせて、バーコードタグを付けていきます。
これは、適当に付いてるわけではなく、クリーニング屋さんによってある程度一定の決まりがあって付けられています。
Yシャツだったら前のボタンホール、ジャケットだったらエリ裏、ズボンだったら腰のベルトループといった具合に企業ごとに一定の法則があります。
何気なく付いているように見えますが、この一定の法則は仕事の効率化のために考えられて付けられています。
Yシャツ
Yシャツは、ハンガー仕上げなら前のボタンホールの下から2番目3番目。
たたみ仕上げなら上から3番目か4番目。
たたみ仕上げでは、包装後にパッと見てわかるように上の方に付けます。
では、なぜハンガー仕上げは上ではなく裾の方に付けるのでしょうか?
たたみ仕上げに合わせたほうが効率的だと思われますが、これには理由があります。
仕上がった品物は、工場から取り次ぎ店舗に運ばれ収納されます。
収納する際に、ほとんどの取り次ぎ店舗はスペース確保のため、上下2段に分かれハンガーラックが設置されています。
ハンガー仕上げの場合には、上のハンガーラックに収納した時にバーコードタグが見えやすいように裾側に付いているのです。
ジャケット
ジャケットやコートなどの上着には、えり裏のえり吊りと言われる部分に付けるのが一般的です。
これは見た目もわかりやすく付けやすく最適な場所です。
内側の品質表示タグ(ケアラベル)に付ける場合もあります。
ズボン・パンツ
紳士物のズボンには大抵ベルトループに付けます。
付ける場所は後ろに付けるか、前に付けるかでクリーニング屋さんによって異なります。
ズボンの場合バーコードタグにもう一つタグが付いてる場合があります。
それはセンターラインの有無のタグです。
特にフォーマルな洋服のズボンは、センターラインを付けるのが一般的ですが、たまにセンターライン無しの物もあります。
その時に、センターライン無しのタグを付けるのですが、後ろにタグが付いてる場合は仕上げの工程で見えづらく見落とす事があります。
センターラインは一度アイロンや機械で線を付けると消えにくい性質があります。
間違ってしまうことを防止するために前側に付けるところもあります。
ベルトループがない場合は裾などに付ける場合が多いです。
洗う時に切れないのか?!
クリーニング屋さんにはバーコードタグの他に様々なタグがあります。
染み抜きタグや注意タグなど、形や色、大きさなど企業別に使い分けています。
クリーニングは、品物によってドライクリーニングや水洗いをします。
この時に、タグの色が洋服につかないのか?濡れて切れないのか?
余程のことがない限り色が移ったり切れることはありません。
タグはクリーニング屋さんにとってはとても重要な命綱のような物なので、トラブルにならないよう特殊な作りになっています。
捨てる?保管する?
クリーニングから返ってきたら、邪魔なのですぐ切って捨てたくなりますが一定期間は外して保管することをお勧めします。
このタグには、様々な情報が入ってるので、着用する時に異変があった時には、タグがないとクリーニング屋さんは取り合ってくれないことがあります。
自分にとっては大事な一点でも、クリーニング店からすれば何万点もある品物の中の一点です。
タグがない事には、何時の、誰の、どのような洗い方や染み抜きをしたかなど把握できないのです。
捨てたくなりますが伝票やタグは一定期間は保管することをお勧めします。
まとめ
バーコードタグは、付いてる場所を見るといろんな事がわかります。
お気に入りの洋服に、直接安全ピンでブスッと刺してたりするとガッカリしますよね。
昔は、Yシャツの襟裏にマジックで直接名前を書いてるクリーニング屋さんもあったみたいです。。。
私は、色んなクリーニング店を見てきたので、タグ一つでいろんな事が想像できて面白いです。
クリーニングに出した時には、この話を踏まえてチェックしてみてください。
ちなみに私はバーコードタグがキレイに真っ直ぐだと次もお願いしようかなと思います。