マーケティングでアメリカのファッションスタイルを作った”ペリー・エリス”
ファッションデザイナーの多くは、若い時に何らかの服飾経験を経ていますがペリーエリスは30代半ばまでスケッチすら描けずデザイン経験もありませんでした。そんなペリーエリスがなぜデザイナーとして成功したのか、、、
PERRY ELLIS
アメリカ、バージニア州ポーツマス生まれのデザイナー。
ペリー・エリスの歴史
1940年アメリカ、バージニア州ポーツマス生まれ。
ウィリアム&メアリー大学で経営管理を学び、1961年に卒業。その後ニューヨークに渡り、ニューヨーク大学の大学院で小売を専攻し、大学院卒業後にバージニアに拠点を置く百貨店のMiller & Rhoadsに就職、リテイル部門の担当になりファッション業界のマーチャンダイザー(商品化計画・商品構成計画系の仕事)とバイヤーとしての経験を積んでいきます。
その後、ニューヨークに渡り、スポーツウェア(カジュアルウェア)系の服を展開する企業、ジョンメイヤーに入社。
36歳で初めてのデザイン経験
70年代の半ば、ポリエステルのダブルニットスーツで有名だった、「ヴェラ・カンパニー」に入社。
1976年「ヴェラ・カンパニー」が展開するレディースウェアブランド「ポートフォリオ:Portfolio」の立上に携わり、ここで初めてデザインを経験することになります。
大学では経営や小売などを学び、スケッチも描けずデザインなども学んでこなかったペリーエリスですが、売れる服を作るマーケティング能力は天才的でした。デパートで働きながら、顧客が何を求めているのかを注意深く観察し、ファッション業界の仕組み、その当事の女性のニーズを熟知していたのです。
「PERRY ELLIS」初コレクション
1978年、自身のブランドコレクション「PERRY ELLIS」を発表。
「服は着心地のよいもの、くつろげるものでなければならない」をコンセプトに、手紡ぎのツイードのような絹のドレス、漂白も染色もしない100%ウールのセーター、手機(てばた)で織ったような素朴さ、天然繊維や自然色しか使わない徹底したナチュラル志向などニューヨークで最も現代的だと高評価を受けます。
ペリーエリスの作る服は、アメリカの女性たちが求めていたスポーツウェアの快適さとカジュアルなスタイリングを兼ね備え、実業家として、顧客のニーズに応えるべく洋服を作り、「ニュークラシック(新古典)」といわれるアメリカン・スタイルを確立しました。
1979年、ニーマン・マーカス賞、コティ・アメリカ・ファッション批評家賞を受賞。
業績を伸ばしていた「PERRY ELLIS」ですが1986年、創業者のペリー エリスが46歳の若さで人生の幕を閉じます。
1988年、かつてペリーエリスに才能を見出されていた”マーク・ジェイコブス”がデザイナーに就任。同時期に”トム・フォード”も在籍していました。