なんかベタつく?!湿気の多い梅雨の時期に加速する”加水分解”とは。
特にジメジメする梅雨の時期にリモコンや自転車のグリップなどがベタベタしませんか?
ベタつきの原因と対処法を解説していきます。
加水分解
加水分解とは、化合物が水と反応することによって起こる分解反応のことを言い、”水解”とも呼ばれます。
ベタつきの原因
自転車のグリップ、電化製品の滑り止め、リモコンなどのプラスチック製品、合成皮革が使われた靴・カバン・洋服、レインウェアの防水コーティング、ストレッチの効いた洋服、、、、これらに共通して使われているあらゆる”樹脂”がベタつきの原因です。
この樹脂は、汗や空気中の水分と科学的に反応して徐々に分解され劣化していきます。
これを加水分解と言いいます。
特にポリウレタン樹脂の劣化は、進行が早く寿命が約3年と言われています。
樹脂製品の寿命は買った時から3年ではなく製造されてから3年です。
プラスチック製品
プラスチック製品で顕著に現れるのは、リモコンなど頻繁に手で触るような物です。
手で触るものは、手の汗が加水分解の進行を促進させます。
プラスチック製品のベタつきは、アルコールが含まれているウェットティッシュなどで拭くことで取り除くことができます。
自転車のグリップや滑り止めなどのゴム製品
ゴム製品は、劣化が進むと溶けるパターンと硬化するパターンの2パターンあります。
電化製品の脚に付いている滑り止めなどは、固定されていますので、掃除や模様替えで動かした際に溶けていたなんてことがあります。逆に、滑り止めが最初は程よいベタつきで止まっていてくれてたものが、劣化が進み硬化して滑り止めの効果がなくなってしまうこともあります。
これは樹脂製品の寿命ですので交換が必要になります。
洋服や靴・カバンに使われる樹脂
洋服や靴・スニーカー・カバンなどに使われる樹脂製品は、主にポリウレタン樹脂です。
これらは、使用や保管状況によって寿命は変わりますが、湿気が溜まりやすい環境で保管すると劣化の進行を促進させます。
フェイクレザー製品(合成皮革)はポリウレタン樹脂が使われていることが多く、着用しようと思ってクローゼットから出したらベタついていたり、逆に柔軟性がなくなりボロボロと剥がれたりします。
これらは、湿気がない保管状況を作ることで劣化の進行を遅らせることができます。通気性をよくしたり、除湿や乾燥剤を駆使して徹底的に湿気を取り除きましょう。
クリーニングでの事故
クリーニングの際も、樹脂の劣化は問題になります。
コート、ダウン、レインウェアなどは裏側に防寒のためのコーティングがされているものが多くあります。
これらは外見では劣化の程度の判断ができません。
劣化が進んでいない新しいものは、クリーニングに耐えられますが、劣化が進んでいるものはクリーニングによって劣化を促進させてしまいます。
この見極めは非常に困難で、度々事故・クレームとして出てきます。
この問題は、クリーニング店と消費者の樹脂製品についての相互理解が必要です。
クリーニング店は、預かる際に消費者に樹脂製品の寿命についてアナウンスすることで事故を未然に防ぐことができます。
消費者は、事前にポリウレタン製品に寿命があることを理解して購入することが望ましいです。
まとめ
ベタつくものに関しては、アルコールや除光液、パーツクリーナーなど意外と簡単に改善されますが、物によっては劣化の進行を促進させてしまうので、アルコールが含まれているウェットティッシュなどで軽く拭き取るくらいが望ましいと思います。
樹脂製品の寿命は買った時から3年ではなく製造されてから3年です。