クリーニング屋さんが教える洗濯すると”ねじれる”Tシャツの原因。

買ったばかりのTシャツが、洗濯したらねじれて上手く畳めなくなってしまったことありませんか?

ねじれる理由をクリーニング屋さんが解説していきます。

斜行

着用、洗濯、乾燥などをすることで、生地がねじれて一方向に片よる現象。

斜行の原因

顕著に現れる衣類としてTシャツのねじれがあります。

洗濯後、畳んだ時に裾が合わない、ワキの縫い目が揃わない、片側に寄っているなどの現象が起きる品物があります。

これは、”斜行”と言う現象です。

斜行は、稀にデザインとしてわざと作られる場合もありますが、ほとんどの場合”外観不良”と言った製品の不良で起きる場合があります。

天然繊維・単糸

斜行は、天然繊維である、綿(コットン)に発現しやすく、単糸とは紡績したままの1本の糸のことで、一方方向(右撚り/左撚り)に撚って糸を形成しています。

糸には、撚り(ねじり)があり、撚りは戻ろうとする時に、糸にトルクがかかります。

トルクは一方向にかかるため、ねじれが生じます。

天竺生地

天竺(てんじく)とは、たて糸とよこ糸を交互に浮き沈みさせながら織る”平編み”生地のこと。最も基本的な編み組織の1つとして知られています。表と裏で網目の柄が異なるという点も大きな特徴です。

天竺は別名「メリヤス(目利安)」と呼ばれることもあります。

天竺生地は、丸編み(筒状に生地を編む)で編まれることがほとんどで、丸編み機によるらせん状に編まれた生地のゆがみが斜行を起こすと言われています。

作業工程での補正

生地が作られていく過程で斜行し、その斜行は製品になる前に補正され、補正した生地を使って製品が完成します。

補正した生地は、洗濯することで糸の元に戻ろうとする力によってトルクがかかり、編み糸がよじれ、縦方向に斜行が発生してしまいます。

斜行を予測し、斜行したままの生地を使い製品を作る事で、洗濯後の斜行を防ぐことができます。

まとめ

斜行は、アイロンである程度の修正は可能ですが、着用や洗濯によって再び斜行が発現します。

斜行は、製品の癖なので完全に直すことは出来ませんので、製品の個性だと思って付き合いましょう。