クリーニング屋さんが教える毛玉の天敵”アクリル”の特徴と注意点。
ウールの代替えとして多く使われるアクリル繊維の特徴と注意点をクリーニング屋さんが解説していきます。
アクリル
化学繊維に分類され、ポリアクリロニトリルを主成分とする合成繊維をアクリル繊維という。 肌触りが羊毛に似た繊維。
アクリルの特徴
石油を原料とする繊維ですが、羊毛(ウール)に似た性質を持ちウールのような軽さと暖かさあります。
化学繊維であるため、糸を作る際の口金(ノズル)の形状によってさまざまな形状の繊維をつくることができ、これによって手触りや風合いの異なるアクリル繊維を作り出すことができます。
繊維形状には扁平な断面のものから、ハート形状のものまで様々な形が存在します。断面がハート形状の場合は、繊維側面にひとつの筋が通っているように見えます。
静電気が起きやすい事と、毛玉になりやすいことが挙げられますが、発色が良いため様々な衣料に使われています。
成分
原料となる石油から取り出されたプロピレンとアンモニアを混ぜ、アクリロニトリルが作られます。
用途
ウールに似ているため、その代替品としての利用が多く、セーターや靴下をはじめとするニット製品や、毛布やカーペット、カーテン、クッション、ぬいぐるみ、カバン地など多岐にわたります。
アクリルのメリット
発色性
塩基性の染料でカチオン染料がよく使われ、染色性(発色性)が良く、高い耐光性を持ちます。
防シワ性
弾性回復率がよく、しわになりにくい素材です。ポリエステル同様に熱可塑性があります。
軽量保温性
羊毛よりも軽い繊維で保温性も高い。
耐候性
日光に強く、耐候性があり、屋外で使用する際の耐久性に優れています。(耐候性: 太陽光・風雨・温度変化などに対し、変質や劣化を起こしにくい性質。)
アクリルのデメリット
保湿性
アクリルはウールに似た保温性はありますが、化学繊維のため水分を保持(疎水性)しておらず保湿性がありません。
静電気
アクリル繊維は水分を保持(疎水性)していないため、マイナスの電気を帯びやすく、摩擦が起きると静電気が発生しやすい。
毛玉
静電気が起こることによって毛玉も発生しやすくなるため、ピリングと呼ばれる毛玉が発生しやすくなっています。
まとめ
アクリルは、身近な繊維として様々なアイテムに使われています。特に耐候性があるため屋外のテント、シート等にも使われています。
衣料品としても多くのアイテムに使われていますが、着用や洗濯によって毛玉が発生してしまうのが一番のデメリットですので、こまめに毛玉処理することがアクリル繊維をキレイに保つ秘訣です。
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