クリーニング屋さんが教える”しみ抜き剤”の作り方と使い方。水溶性編。
水溶性のしみとは、水に溶けやすい性質を持つしみのことを言います。
水溶性のしみの種類
水溶性のしみの種類は、コーヒー・果汁・ジュース・醤油・ソース・ビール・お酒・汗・血液・尿などがあげられます。
家庭でのしみ抜きの際は主に、食べこぼしや汗・血液・尿などの括りだと思ってください。
水溶性のしみの中には、水に溶けにくい油脂成分や、その他の成分も入っっている事もありますが、水に溶けやすい成分が多く含まれているしみと言う分類になります。
例えば、醤油なんかは水では溶けない油が含まれていますし、食べこぼしの中には油脂成分が含まれている物もありますので、油と水に同時に作用するしみ抜き剤が必要になります。
水溶性のしみに使う薬品
水溶性のしみに使う薬品は、3つあります。
どれもスーパーや百均、ネットなどで手軽に手に入るものです。
食器用洗剤
食器用洗剤は、界面活性剤も入っていますので、油汚れに対し強く効果を発揮します。
水だけでは落ちない醤油などに含まれる油成分に対して、食器用洗剤が有効になります。
液体酸素系漂白剤
液体漂白剤は、必ず酸素系を使ってください。
塩素系と間違える方がたくさんいますが、塩素系の漂白剤は衣類には絶対に使わないでください。
塩素系の漂白剤は、殺菌目的に使うものですので、衣類に使用すると必ず繊維を傷め脱色します。
液体の酸素系の漂白剤は、過酸化水素水が主成分になっていてます。
過酸化水素水は、酸素をたくさん持っていて、その酸素の力を使ってしみを分解して除去する働きをします。
酸素の力で分解するので酸素系と言います。
こちらは、スーパーやホームセンター、ネットでもどこでも手に入ります。
粉末酸素系漂白剤
市販の粉末の酸素系漂白剤は3つあります。
過炭酸ナトリウム・セスキソーダ・重曹で、それぞれ漂白力の違いがあり、左から強・中・弱となります。
粉末の酸素系の漂白剤の特徴は、アルカリ性である事です。
アルカリ性は、油脂分を分解するのに適しているので、キッチン周りの油汚れにも効果的です。
アルカリ性の粉末漂白剤は、液体の酸素系漂白剤と一緒に使うことで、しみを分解する酸素をたくさん作るお手伝いをしてくれます。
これらは、スーパーやホームセンター、ネット、百均などどこでも手に入ります。
水溶性しみ抜き剤の作り方
食器用洗剤・液体酸素系漂白剤・粉末酸素系漂白剤の三つを混ぜます。
食器用洗剤1:液体酸素系漂白剤3:粉末酸素系漂白剤2
1:3:2で混ぜてください。
これで出来上がりです。
しみの強さやしみの付いた品物に合わせて、粉末の漂白剤を変えるだけでOKです。
しみ抜きしてみましょう
用意するアイテムは、歯ブラシとティッシュです。
作った水溶性しみ抜き剤を歯ブラシにとって、患部に塗り、上からトントンと叩きます。
この時、絶対に強く擦らないでください。強く擦ると繊維を傷め白化します。
裏側にタオルやティッシュを敷いてしみを転写するように叩くのがポイントです。
汚れてきたら新しいタオルやティッシュに変えましょう。
これを4、5回続けると(時間にして約1、2分程度)、しみは完全には落ちないまでも、ほぼわからないくらいにはなります。
落ちたら、そのまま洗濯機に入れてください。
歯ブラシは百均のでも構いませんが、条件として生地を傷めないものと、毛が細かいものがより効果的です。
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家庭でのしみ抜き注意点
家庭でしみ抜きを行う場合は、洗濯できないものはしみ抜きはお勧めしません。
洗濯できないものとして例を挙げると、風合いが変わりやすいもの(シルクなど)・縮みやすいもの(獣毛製品など)・濃色のもの・自力でアイロンがけが出来ないもの(プリーツスカートなどデザイン性の高いもの)などが挙げられます。
まとめ
水溶性のしみは、家庭でも案外キレイに落とすことができます。
試したことがない方は、騙されたと思い一度やっていただけると効果がわかると思います。
血液なんかは、シュワシュワと泡が出て面白いですし、ビックリするくらい簡単に落ちます。
是非お試しを。