クリーニング屋さんが行う、ニット製品の”毛玉”の処理方法と発生原因。
特にセーターなどのニット類に発生する、クリーニング店の毛玉の処理方法を紹介します。
毛玉の原因
毛玉が出来る一番の原因は、摩擦です。
繊維と繊維が摩擦によって、揉まれた状態になり毛玉が発生します。
毛玉が発生しやすい場所は、上着の場合ワキ・手首・裾・エリです。
ズボンなど、下に履くものであればヒップ・裾・内股に多く発生します。
毛玉は、着用や洗濯によって摩擦され、雪だるまのように大きくなっていきます。
毛玉が発生しやすい繊維
毛玉が発生しやすい品物の代表として、セーターなどのニット製品があります。
ニット製品は、毛羽立った状態の糸を使うため、揉み作用や摩擦によって絡まりやすく毛玉になりやすい性質があります。
摩擦を繰り返された繊維は、最終的にフェルトのような状態になります。
よく見られるのが、脇部分が汗と摩擦により固まる現象です。
これををフェルト化と言います。
フェルト化は、ニット製品に多く使用されるウールやカシミヤなどの獣毛繊維に多く見られる現象です。
獣毛繊維は、繊維の周りをキューティクルやスケールと言われる鱗片で覆われており、絡みやすい性質になっています。
汗などの水分を含むことで、キューティクルやスケールが広がり、摩擦を受けることで絡まりを促進させます。
毛玉が発生しやすい製品
毛玉が発生しやすい製品は、セーターなどのニット類ですが、繊維の組み合わせによっては毛玉が出来やすい製品があります。
獣毛繊維と化学繊維
最も毛玉になりやすい組み合わせは、獣毛と化学繊維の組み合わせです。
ウールとアクリルやウールとナイロン、カシミヤとポリエステルやカシミヤとポリウレタンなど、動物繊維と化学繊維の組み合わせです。
ファストファッションに多く見られますが、コストを下げるためにウール40%、アクリル60%などの割合で作られています。
獣毛繊維と化学繊維の組み合わせは、柔らかい繊維(軽い繊維)と硬い繊維(重い繊維)の組み合わせなので、摩擦が大きく、毛玉になりやすい状態になります。
植物繊維と化学繊維
獣毛繊維と化学繊維の組み合わせ程ではありませんが、植物繊維と化学繊維も毛玉になりやすいです。
よく見られるのが、パジャマや部屋着で着用するスウェットなどです。
パジャマや部屋着に使用される繊維は、吸汗性や耐久性が求められるため、コットンやポリエステルが多く使用されます。
ストレッチ性も取り入れるため、ポリウレタンなどの繊維も多く使われます。
化学繊維を多く使用することによって摩擦が高まり、洗濯での揉み作用や寝具などの摩擦により、細かい毛玉が発生しやすくなります。
毛玉の処理方法
毛玉の処理方法は3種類あります。
ブラッシングその1
ブラッシングですが、まず毛玉になるのを防ぐブラッシングが必要です。
例えて言うなら、毛玉は雪だるまです。
毛玉は玉状態になると、周りの小さい毛玉の繊維を巻き込み、雪だるま方式に大きくなっていきます。
この小さな雪だるまになるのをブラッシングで防ぐ必要があります。
こちらは仕事でも自宅でも使用しているブラシです。
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このブラシは、ブラシのトップブランドG.B.KENT社のライセンス契約を取った日本の会社が作っているブラシなので非常に優秀です。
柔らかい毛先と弾力性のある白馬毛で作られていて、カシミヤなどのデリケートな繊維にも対応できます。
静電気除去繊維を混毛しており、ホコリや花粉も落としてくれます。
髪の毛を溶かすようにブラッシングをすることで、毛玉が発生しにくく服が長持ちします。
ブラッシングその2
毛玉は、大・中・小とあり、クリーニング店では、そのうちの大と中の毛玉をブラシで取ります。
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こちらは、硬めの豚毛と猪毛を使用しており、ニット製品などに発生した大から中の毛玉を取るのに適しています。
電動毛玉クリーナー
電動タイプは、パジャマや部屋着などに発生した小さな毛玉を除去するのに向いています。
電動タイプは、大きな毛玉が発生するニット製品などに使うと、糸を巻き込んでしまう恐れがあり危険です。
糸を巻き込むと、お分かりの通り穴が空いてしまいますので注意してください。
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こちらはテスコム最新式の毛玉クリーナーです。
使いやすさと値段といい、こちらがコスパが良いでしょう。
まとめ
毛玉一つにしても、クリーニング店では色々なアイテムを駆使して除去しています。
毛玉処理は、地味で時間のかかる作業です。
ですが、毛玉処理をするだけで、確実に服は見違えるほど綺麗になります。
毛玉取りを丁寧にしてくれるお店は、洋服の事がわかってる良いクリーニング店だと私は思います。
良いクリーニング店を見極めるときの大きな基準の一つだと思いますので、ご利用のクリーニング店で是非チェックして見てください。