クリーニング屋さんも手を焼く、衣類の変退色の原因と対策。

衣類トラブルで多いのが、服の変色や退色です。

葉の色で例えられたりしますが、洗濯やクリーニングを繰り返すことによって色褪せてしまったり、エリやワキ部分が汗で黄色く変色したり、保管をしていて着ようと思ったら変色していた、と言うようなケースはたくさんあります。

漂白剤の使い方を間違って、脱色させてしまう事故なども多くあります。

変退色とは?!

変退色とは、染料や顔料が時間の経過や、外的な作用により劣化し色が変わることです。

主に衣類での変退色トラブルは、製品そのものが原因のものや、汗、日光、ガス、漂白剤によって起こります。

一般的に変色は、生地自体の色が変化する事で、退色は、使われている色の数が抜け落ちることを言います。

脱色は、漂白剤を間違った使い方をした場合などに起こります。

変退色の原因

染色不良

私達が着ている洋服は、動物繊維・植物繊維・化学繊維と様々な繊維で作られています。

繊維は、加工を施し糸になり、糸や生地になる過程で、繊維の特徴によって染色が施され、織物や編み物になって服になります。

染色堅牢度を保つために染色工程で、それぞれの繊維の特徴に合った染色方法を施しますが、コストを抑えるために安い染料を使ったり、繊維に合わない染料を使用することによって、染色堅牢度が低下し染色不良を起こします。

汗には、染色や繊維を壊す成分があり、時間の経過によって、汗の成分が酸化し染色や繊維を劣化させます。

特に、エリやワキ、袖口などは変色しやすい部分です。

太陽光に含まれる紫外線は、染色を壊します。

天気の良い日に洗濯物を日干しすると色褪せたり、看板が色褪せるのも紫外線によるものです。

太陽光以外にも、蛍光灯には微量の紫外線が含まれており、長時間の照射で同じように変退色を起こします。

蛍光灯から光が発行されるのは、蛍光管の中で紫外線を発生させて蛍光管内部の塗料に紫外線が当たり反射することによって起こります。

LEDの光には紫外線を含みませんが、中には紫外線を含むものもあるようです。

ガス

ガス退色は、石油ファンヒーターなどの暖房器具のガスに含まれる窒素酸化物により起こります。

ガスを使用する環境下に保管する場合などは注意が必要です。

また、ガスは水分に吸収されやすい性質があるため、保管前には十分に乾燥して保管して下さい。

特に、ナイロンやアセテート素材はガスによる影響によって変色しやすい繊維です。

ガスによる変色は、染料の性能によるところが大きいため染色不良の可能性が高いと言えます。

対策

着用したらすぐに洗濯をすることや、定期的にクリーニングに出すことです。

汗の成分が残った状態で保管すると間違いなく変退色を起こします。

また、衣類害虫の餌にもなってしまうので、保管する際は必ず洗ってから保管しましょう。

洗濯物は、日干しではなく風通しのいい陰干しが望ましいです。

室内で保管する際は、クローゼットやボックスに収納しましょう。

収納がなければ、不織布のようなカバーをかけることで軽減できます。

ガス

ガスを使用する環境下で保管する場合は、出来るだけ換気を良くしましょう。

ガスは空気より重いため、通気性を良くしてガスが溜まらないようにしましょう。

また、クリーニングに出した際のビニール包装などは、ガス退色の原因となりますので必ず外して保管して下さい。

まとめ

変退色は、メーカー側の染色不良で起こる場合もありますが、保管状況によって起こる場合もあります。

変退色してしまった衣類のメンテナンスは、技術のあるクリーニング店に相談しましょう。