クリーニング屋さんも見間違う、化学繊維の進化。その種類と特徴。

衣類に使用される化学繊維は、天然繊維と見分けがつかないほど年々進化しています。

化学繊維とは

化学繊維とは、化学処理を施した繊維あるいは化学的手段によって作られた繊維で、無機繊維と有機繊維とに大別されます。

有機繊維にはさらに、合成繊維、半合成繊維、再生繊維に大別されます。

無機繊維

無機繊維には、ガラス繊維や金属繊維などがあり、特殊なデザインの衣類に使用されることが多く、一般衣料にはあまり使用されることはありません。

有機繊維

合成繊維

合成繊維には、ポリエステル、ポリウレタン、ナイロン、アクリルなどがあります。

強度がありスポーツウェアやレインコートなどに多く使用されています。

半合成繊維

半合成繊維には、アセテートやプロミックスなどがあります。

一般衣料には使用されることが少ない繊維ですが、アセテートは柔らかく光沢があり、シルクに似た特徴があるので高級衣料に使用されることが多い繊維です。

再生繊維

再生繊維には、レーヨン、キュプラなどがあります。

レーヨンは柔らかく伸縮性があり、一般衣料にも多用されていますが、強度が弱くシワになりやすい特徴があります。

キュプラは、光沢があり強度も優れているので、スーツの裏地に多く使用されています。

化学繊維の特徴

化学繊維の最大の特徴は、天然繊維より安価だと言うことです。

動物繊維や植物繊維などの天然繊維はコストが高く、安価な化学繊維を使うことで価格を抑えられます。

ファストファッションや大量生産される衣類は、原材料を抑えることで低価格で販売することができるため、天然繊維に変わって多く使用されています。

今では加工技術が発達し、見た目や機能も天然繊維に見劣りすることがなく、一般衣料から高級衣料まで幅広く使用されるようになりました。

化学繊維のデメリット

化学繊維は化学的に作られるため、様々な形に姿を変えることができる反面、中には繊維の劣化が著しくなる繊維もあります。

近年の糸を細くする技術は素晴らしく、天然繊維と遜色ないほどのクオリティを生み出すことができます。

ですが、細くし過ぎることで、熱の影響を受けやすくなったり強度が下がったりとデメリットも出てきます。

特に、伸縮性を付与するために使われるレーヨンやポリウレタンなどの化学繊維は、強度が弱く洗濯やクリーニングではトラブルになりやすいです。

ポリウレタン製品は、わかりやすく表現すると輪ゴムのような物なので、劣化しやすく、その寿命は3年ほどと言われています。

見たことある方もいると思いますが、洗濯やクリーニングを繰り返すと、ポリウレタンの繊維が劣化してぶくぶくしたり、ゴムがぴょんぴょんと出てきたりします。

伸縮性のある化学繊維はシワがつきやすく取りづらいことなどもデメリットの一つです。

まとめ

化学繊維を衣類に多用することで、デザインや機能性が向上し、低価格で衣類を買うことができるようになりました。

服や衣類を買う際には、天然繊維と化学繊維のメリットデメリットを考えながら購入するといいかもしれません。